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ヨルダンへの里帰り

1999年~2002年までJICAの仕事の関係でヨルダンという国に、ITプロジェクトの調整員として、家族と一緒に赴任していました。そのヨルダンで、20006月に息子の昇太が産まれました。その昇太が、24歳になり今年の4月から働き始めるので、その前に親子3人でヨルダンに行こう!ということになり212日から227日まで、ヨルダンに行ってきました。

ヨルダンに行くと決めたのは良いものの、何せ23年ぶりです。ヨルダン人の職場の上司や同僚に連絡を試みましたが、なかなか繋がりません。かろうじて、一緒に働いていたドライバーのユーセフさんとメールが繋がり、空港まで迎えに来てもらうことになりました。

ヨルダンのクィーンアリア空港に着くと、少し髪の毛が薄くなり貫禄の付いたユーセフさんが迎えてくれました。貫禄も出るはずです。今では、4人の子供を持つ、お父さんになっていました。ユーセフさん、23年前は若干25歳独身の好青年でした。

 

 23年ぶりに見る空港は、当時の面影はなく、とてもきれいな空港になっており、首都アンマンの街も、高層ビルが立ち並ぶ別世界になっていました。

ユーセフさんの案内で、RSSRoyal Scientific Society)という昔の職場に連れて行ってもらいました。ユーセフさんが門番さんに、いろいろ話してくれたおかげで、突然の訪問にもかかわらず、なんとRSSの副理事長のアラファトさんに、お会いすることができることになりました。アラファトさんとお話する中で、その当時一緒に働いていたサッカー所長やフセインさんなら知っていると言って、その場で電話して下さりました。

 

23年ぶりの電話なので、少しドキドキしながら話しましたら「おーー君は、アブショータだね」といわれました。ヨルダンでは、子供が産まれるとそのお父さんは、生まれた子供の名前の前にアブ(父)を付けて呼ばれるようになります。2000年当時、職場の皆さんから“アブショータ、アブショータ”と呼ばれていました。懐かしい響きに、何か感慨深いものを感じました。

そして、このヨルダンの滞在中にサッカー元所長とフセインさんの両家からご招待いただきました。また、23年前にアラビア語を習っていたサマー先生にも会うことができ、ヨルダン料理をご馳走になりました。ヨルダンの方々の温かいおもてなしの精神に心を打たれました。このご縁を大切にしたいと思いました。

昇太の産まれた病院Farah Hospitalや昔住んでいた家にも、ユーセフさんに連れて行ってもらいました。Farah Hospitalには、昇太を取り上げて下さったDr. Zaid Kilaniの銅像が受付の所にありました。昔住んでいた家は2階建てだったものが、3階建てになっていたため外見が違い、なかなか見つけられませんでした。家内の宗子が、お隣さんのガラス張りの家を見つけ、ここだと判明しました。

この旅行では、

海外に慣れている格好良い父の姿を息子に見せる予定でしたが、実は3日目から高熱にうなされ、扁桃腺が腫れダウン。妻と息子が観光に行っている間、ホテルの部屋で寝込む日が続きました。おまけに、高熱を出してから3日後にぎっくり腰になりかけ、動けなくなりました。なんとか2日間くらいでぎっくり腰が治ったかと思ったら、持病の痛風が出て、歩くのが困難になりました。格好の良い父の姿は、かけらも見せられず、死にぞこないのじじーの姿をさらし続ける旅になってしまいました。妻と息子は、とても元気で二人で観光を十分楽しんでいたので、まあ良しとしようと思うしかないです。

ヨルダン?と聞くと治安が良くないところ、危ないところというイメージがある方が多いのではないでしょうか?ところが、ヨルダン実は、治安が非常によく、夜でも子供たちや女性が街を歩き回っています。歴史も古く、紀元前からのペトラ遺跡は、世界遺産でもあり、インディージョーンズの最後の聖戦の舞台になったところです。死海でぷかぷか浮くこともでき、ワディラムという砂漠を楽しんだり、アカバという紅海に面した保養地があったり、日本とは違う世界を安全に観光できる国なのです。今、ガザの問題もあり、観光収入が激減して、ヨルダンの人々は困っています。ある意味、今は観光客も少なく、安全で、ホテルなども安いので、お勧めの観光スポットなのかもしれません。

 

最終日は、トルコ経由で帰ったのですが、痛風の足を引きずりながら少しだけイスタンブール観光を楽しむことが出来ました。

この旅を通して。

ヨルダンの人の温かさに心を打たれ、やっぱり人と人とのつながりが大切だなあと実感しました。また、どこか別世界にいるような気になる多くの体験をし、刺激を受けました。そして、海外旅行中の健康面や体調の管理等、課題も多く残った旅でした。

 

今後、バオバブの事業を続けていく中で、アフリカの生産者や工場、バオバブの木を見に行く必要があります。アフリカへの海外旅行に耐えられる健康と体力を付け、それを実施することが目下の目標です。

 

ヨルダン珍道中、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

今後とも宜しくお願い申し上げます。