バオバブの木
長寿のバオバブの木は、南アフリカ共和国のリンポポ州にあり、推定樹齢6000年とも言われていました。バオバブは、正に生命の木です。その木の高さは約22m、幹周囲は約47mあり、幹の内部には、バーがありました。このバーがオープンしたのが1933年。悲しいことに、この長寿の大木が2017年4月に倒壊しました。気候変動の影響なのか、科学者は、その原因究明を進めています。
この木の形は、グロテスクなものや滑稽なもの、様々です。現地の人々は、この木から多くの恩恵を受け、この木の葉、実、種、皮、根、幹を活用してきました。アフリカのバオバブ生息地域での調査によれば、300種類を超えるのバオバブの伝統的な活用方法を記録したとのことです。また、バオバブの木は、小さな薬局とか薬の木とも言われています。
言い伝えの中で有名なのは、神様に逆らったため、逆さまに植えられたというものです。その他、この木の下で集会をするとよいアイディアが生まれるとか、バオバブの幹や根のエキスを飲むとワニに襲われない等、多くの言い伝えが残されています。
バオバブの木と人々は長い間、共存してきています。
(写真のバオバブの木は、マラウイのマンゴチ県で撮影したもの。)
バオバブの幹
大きなバオバブの幹は、中が空洞になっているものが多く、人々は、穀物や水の貯蔵庫として活用したり、小動物の住みかとして住みついたりしています。加えて、刑務所、バス停、バー等様々な用途に活用しています。また、バオバブの幹の皮を、屋根材として活用したりします。バオバブの幹に四角い傷があるのは、そのせいだが、人々はあまりダメージを与えないようにうまく樹皮をはぐ。樹皮からロープやひもを作り、バスケット、帽子、洋服、ネット、紙、魚釣りの釣糸等にも活用しています。樹皮は薬としても有用で、煎じて、飲むことによって、頻尿やぜんそく対策、伝統的に高熱対策としても活用しています。
バオバブの花
白っぽい色の花は、長い茎にぶら下がるようにして咲きます。この花は、自分勝手気ままで、人々の趣向にそぐわない咲きかたをします。この花は香が強い上に、夜咲く傾向があることから、人々がこの花を楽しむ機会を得ることは難しいのです。一方、蝙蝠やブッシュベービーと言った小動物のライフスタイルは、この花とぴったり合います。蝙蝠やブッシュベービーのような夜行性の小動物は、この花の香に誘われて、やってきて、この花の蜜にありつくことができます。このご馳走を頂く代わりに、これらの夜行性の小動物は、バオバブの受粉を助けます。この花は夕刻に開花し、翌日の夕刻には、花が散ってしまうはかない花でもあります。人々は、この花を糊として活用したりしています。
バオバブの実
バオバブの実は、木になったまま乾燥する世界で唯一?の果物です。この実がなるまでに長い20年の年月がかかると言われています。こちらを参照願います。実を割ると種を覆っている白い粉の部分があり、その粉は、ヨーグルト、ジャム、ジュース、スープ、シャンプー等に混ぜて活用されています。果肉の栄養価は、ビタミンCはレモンと同程度、カルシウムは牛乳の約3倍、食物繊維もごぼうの8.7倍、鉄分がほうれん草の32倍と天然のミネラルが豊富です。ポリフェノールの値が非常に高く、ポリフェノールをたくさん含んでいる赤ワインやコーヒーの約10倍の含有量があります。ポリフェノールは、抗酸化作用のあるビタミンCやEと同様に強い抗酸化作用があります。このバオバブパウダーは、アフリカのスーパーフードとしても認定されています。
バオバブの殻
きれいに果肉や種を取り除いで食器やカップ、ハンディクラフト、水差しとして活用しています。これでビールを飲むと泡のキメが細かくなり、口当たりがよくなり、とてもうまくなります。
外皮は、ライトグリーンのビロードの生地のような肌触りでとてもかわいい感じです。
バオバブの種から絞ったオイル
バオバブオイルは、バオバブの種から抽出されこのオイルで、アフリカの人々は数百年にわたり、食料、化粧品、医薬品として活用してきました。たんぱく質が豊富なバオバブオイルは、一般的にソースやペーストにして使われてきました。また、乳液、石鹸、歯磨き粉としてや、筋肉の硬直、静脈瘤、傷のトリートメント、保湿剤として髪の毛やつめの手入れ、頭のふけ、皮膚疾患にも活用されてきました。種が固いので現地の人々は、ローストしてスナックとして食べたり、細かくしてコーヒーに混ぜて飲んだり、ローストした種をスープにして飲んだりして活用してきました。
バオバブの葉、新芽
バオバブの葉は、ビタミンc、糖分、ポタシウム、カルシウム、鉄分、プロテイン、脂質、ビタミンAが豊富です。現地の人々は、新芽をホウレンソウのように食べたり、乾かして粉末にしたりして保存します。頻尿や下痢止め喘息対策としても活用してきました。新芽や葉は、動物や芋虫の餌になり、後にその芋虫や動物を人々が食べるという形でも、活用されてきました。
不思議なことに、西アフリカ諸国だけで、バオバブの葉っぱが、主要な栄養素として食されているのです。東部や南部アフリカにも、バオバブの木は沢山あるのですが、ほとんどの地域でバオバブの葉っぱを食する習慣がありません。西部アフリカでは、しかしながら、バオバブの葉っぱは、何百万人もの人々のありふれた食材として、何千トンものバオバブの葉っぱが毎年消費されています。
バオバブの葉っぱは、茹でて、ほうれん草のようにも食べられていますが、ほとんどはスープやシチュー、ソースのおかずとして、やむ芋、キャッサバ、メイズ、ミレット、ソルガム、にかけて食べられています。西部アフリカのマリ国では、41%のスープにバオバブの葉っぱ入りのスープがあったとの調査結果も出ています。バオバブの葉っぱは、フレーバーや栄養素を付加するだけでなく、味に深みやぬめりを加えます。
バオバブの葉っぱは、そのスープのもっとも一般的な材料ですが、ナスや、オクラ、ジュート、トマト、唐辛子、魚や肉等もスープに加えられます。西部アフリカ地域では、でんぷん質の主食に、このぬめりのある野菜ミックススープをかけて食べることが、最も一般的な食べ方なのです。
人々は、夜ご飯のためにこの葉っぱを毎日毎日収穫するので、バオバブの木は、決して自然にあるがままの姿になる事はないのです。西アフリカ地域では、ほぼ全ての葉っぱが摘まれており、バオバブの木が何らかの消耗性疾患にかかっているように見えます。
雨季のはじめの、葉っぱが芽吹く時期に収穫された、余分の葉っぱは、乾燥させ保管します。乾燥させた状態にしておけば、もちもちした多糖類の栄養価を失うことなく、保存することが出来ます。そして、数か月後、新しい葉っぱ同様に、スープの味に深みを与え、ぬめりを出すことが出来るのです。
西アフリカの地域によっては、バオバブの葉っぱが手に入らないところもあり、その場合には、バオバブの葉っぱを購入する必要が出てきます。多くの人々にとって、バオバブの葉っぱを買うお金を調達することが、終わりのない戦いになってきています。バオバブの葉っぱ入りのソースを作ることが1ドルと同じ位の価値になってきており、その価値は、1日の仕事で得られるお金よりも高くなってきています。一方、地域の女性は、バオバブの葉っぱを販売することにより、少ないながらも貴重な収入を得始めています。
栄養価として、バオバブの葉っぱは、驚くべきものがあります。報告書によれば、11%から17%のたんぱく質、人間の栄養に究極の必須アミノ酸が、含まれています。
AI による概要
「必須アミノ酸とは、人や動物が体内で生成することができず、食事から摂取する必要があるアミノ酸です。20種類のアミノ酸のうち、バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンの9種類が必須アミノ酸です。」このうち、メチオニン以外の8種が、バオバブの葉っぱに適量含まれています。
バオババブの葉っぱは、ハウサ語を話す人々の主食となっています。伝統的なハウサ族の昼食は、ソルガム、サツマイモ、キャッサバ、ピーナッツオイル、乾燥チリ、カウピーとバオバブの葉っぱを混ぜて作ります。
AI による概要
「ハウサ語は、ナイジェリア北部、ニジェール南部、ガーナ北部を中心に、西アフリカ諸国で話されている言語です。また、ナイジェリア各地や周辺諸国でも共通語として使用されており、第2言語として話す人も含めると推定7000万人以上がハウサ語を話すと言われています。」
バオバブの葉っぱは、栄養価が高く西アフリカ地域の重要なタンパク源となっています。今後この活用方法を、東部や南部アフリカ地域の人々に教えることにより、東部南部アフリカの人々の重要なタンパク源となり得る可能性があると考えられます。
バオバブの根
水分を多く含んだ樹液がとれる。赤い染料もとれます。根を混入した風呂に赤ちゃんを入れることにより、スムーズスキンになるという伝統的なコスメティックトリートメントがあります。(ジンバブエ)
*FRIM(Forestry Research Institute of Malawi) report No. 06002より抜粋
バオバブの伝説
バオバブには、多くの伝説があります。神様に逆らってわがままを言ったため、上下逆さまに植えられたという話は有名ですが、そのほかにもいろいろあります。
バオバブの木の下で集会をすると良いアイディアが生まれる。
バオバブの花を抜くとライオンに体を引き裂かれる。
バオバブの種を浸した水を飲むと、ワニの襲撃を避けられる。
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糸島市志摩芥屋3485-1 バオバブ・サンライズ
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